INFOMATION

バニラ栽培

石屋製菓バニラ栽培

読売新聞「KitaBiz」2018/5/22(28面)

価格急騰・道産で熱帯植物 国内外で販売目指す 石屋製巣(札幌車西区)が札幌市内で、洋巣子に欠かせないバニラの栽培に挑戦している。バニラは熱帯の植物だが、産地の天候不良や世界的な需要拡大で価格が急騰。原料の安定確保に迫られる中、同社は園芸ハウス建設会社なぐと連携し、昨秋、ハウスでの試験栽培を開始した。2020年にも量産体制を確立させ、「道産バニラ」を国内外で販売していく考えだ。 (園田将嗣) 石屋製菓は「白い恋人」などの自社製品に使う原材料は可能な限り道内産を使用している。ただ、熱帯地域で生産されるバニラは輸入品に頼ってきた。 だが、近年は主要産地のアフリカーマダガスカルで農園がサイクロンの被害を受けて収穫量が減少した。 食の西洋化が進む中国やインドでの需要拡大も重なり、貿易統計によると、17年の輸入価格は1♂あたり約6万円で、同約3500円だった12年の約17倍に急騰。今後も価格の上昇が予想されるという。 同社は、寒冷地に対応した園芸ハウスを建設する「ホッコウ」(札幌市中央区)、同社の関連会社で農作物を生産する「アド・ワン・ファーム」(同))とともに、昨年10月から同市内のハウスでバニラ約1000株の試験栽培を始めた。熱帯の気候を再現するため、日中の湿度を60%、夜間は80%に維持。熱帯植物の専門家から適時、成育状況に合わせた指導を受けてきた。 バニラは現在、高さ約70~80㌢まで育ち、来年夏から秋頃には収穫できる見込みという。ハウス1棟で同社が1年間に使用する量を確保できるといい、年内にハウスを計3棟に増やし、収穫した豆を乾燥させる技術などを確立させ、20年に量産できる体制をつくる。将来的にはバニラの販売も手がける予定だ。 同社の吉田宏・商品開発室長は「本来は寒くて育たない北海道でバニラを栽培できれば、道産ブランドの価値を高められる。自社のレストランやカフェで道産バニラを使用したお葉子の提供などを考えている」と話している。

SIDE MENU

PAGE TOP